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デジタルアーカイブ

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大阪府では、関西を拠点に戦後の美術界で活躍した現代美術作家の作品をはじめ、1990年代に開催した「大阪トリエンナーレ」の受賞作品など、絵画や版画、彫刻、写真等約7,900点の美術作品「大阪府20世紀美術コレクション」を所蔵しています。ここでは、その所蔵作品を、作品名や作家名、キーワードから検索し閲覧いただけます。

作家解説

  • 井原 康雄
  • Yasuo IHARA

関西学院大学在学中より、1954年から1962年にかけて「行動美術展」に参加する。大学卒業後、「行動美術展」に構成的な作品の出品を続け、「行動美術賞」を受賞し、作品が「朝日ジャーナル」の表紙に掲載される。1958年大阪の白鳳画廊、1959年神戸の神戸新聞会館で個展を開く。1960年と1961年「朝日新人展」に出品し、1962年には森口宏一ら6名で現代抽象作家集団「テムポ」を結成し、関西在住の有力若手作家として活躍する。1962年、1963年「グループテムポ展」を京都市美術館、大阪のそこう百貨店画廊で開く。また「朝日新人展」にも選抜される。
1963年、京都国立近代美術館の「現代絵画の動向−西洋と日本−展」に選ばれ、この年の秋の「テムポ展」を終えアメリカに渡り、活動の拠点をニューヨークに移す。1965年から1967年には、画廊や大学で展覧会、パフォーマンスなどを行い、1970年一時帰国し、大阪芸術センターでパフォーマンスを行う。1971年から再び絵画ではない造形活動を再開する。1976年からはじめた舞台美術の仕事で生活を支えながら、現在もニューヨークに定住している。1988年に旧大阪府立現代美術センターで開催した「今日の作家シリーズ展」で滞米中の作品が紹介された。
1997年、大阪府は「行動展」に作品発表をはじめた1950年代後半から1960年代にかけて、現代美術に青春の夢を追っていた井原康雄の若き日の絵画作品40点の寄贈を受けた。

主要参考文献

「現代美術にかけた青春―テンポの時代 井原康雄 1955-1963展」パンフレット 大阪府 1998.7